CTC これからの世界を読み解く 数学体感教室2022CTC これからの世界を読み解く 数学体感教室2022

ゲーデルの不完全性定理をご存知でしょうか。前世紀に発見された数学の定理の中で、抜群の知名度を誇り、コンピューターのひな形となるチューリングマシンの創案にも大きな影響を与えたと言われています。この定理は、「不完全」「無矛盾」「決定不能」など思想的な響きをもつ言葉で表され、一見哲学的な印象を与えています。しかし、定理自体はあくまで数学の命題です。数学的論理で証明されていることを念頭に置き、周辺の関連項目・話題にも触れながら、この奥深い数理論理の世界を探検してみましょう。

アリストテレス以来
最も偉大な論理学者といわれる。

クルト・ゲーデル1906 - 1978
オーストリア・ハンガリー帝国(現チェコ)に生まれ、アメリカに移住した数学者。ウィーン大学で数学と物理を学んだ。1930年に学位論文として1階論理の完全性定理を発表後、1931年には、自然数の体系での決定不能な命題の存在を証明する「不完全性定理」を発表し、数学のみならず、さまざまな分野に影響を与えた。集合論の分野でも重要な業績を残しており数学基礎論を大きく前進させた。また不完全性定理の証明の過程で用いられたコード化を含むさまざまな手法は、チューリングの仕事とともにその後のコンピューターサイエンスの発展にもつながっている。アインシュタインと親密な交流があったことでも知られている。

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